せっかくなので大輔くんのエッジについて語りましょう
こんにちは、MAYです。
昨日の記事がかなりの反響をよんでいるようで少し驚いています^^;
ツイッターであの後少し補足したのですが
せっかくなのでさらに補足したものを
ここで記事にしてまとめてしまおうと思います。
(ちなみにツイッターのアカウントはこちら)
注)今回の記事はかなりマニアックです。
最近自分に合った靴を探しに海外へ飛ぶ選手が増えています。
別に日本で探せないわけではありません。
靴もエッジも普通に売っています。
輸入品になるので日本で買うと少し高いですが
海外で買うとなると旅行費のほうが高くつくでしょう。
では、なんのためにわざわざ海外へ飛んで探すのか。
これは靴の特徴にあります。
スケート靴は、靴とエッジ部分がバラバラで売っています
選手たちは自分に合った靴とエッジを探し
自分に足に合うように取り付けます。
ただ、靴の部分なのですが空輸の際に気圧により
歪んでしまうことが多々あるのです。
そのため日本で購入できるスケート靴のほとんどに
歪みが生じていると考えられています。
この歪みはかなり厄介なもので
まったく自分に足に合わない形になってしまっている時もあります。
(足が異常に圧迫されて怪我につながる場合もあります)
しかし、エッジを取り付けた状態にしてしまえば
靴は歪みません。
そのためトップ選手たちは現地へ飛んで
自分に足に合う位置で靴にエッジを取り付け
靴を持ち帰ってくるのです。
<ここからTwitterで書いた文章>
スケートで靴を変更する時にエッジの位置を調整する必要があるのは
一つ一つの靴が違っているからです。
靴の裏は平ではないので削る必要もあったりします。
そして、エッジを取り付けます。
利き足のエッジの位置は割と早く決まります。
(少しくらいずれていても利き足なのでカバーできる)
ただ利き足でない方は繊細なので合う場所が一点しかなく探すのが大変です。
(トップ選手は実際もう少しカバーできる幅が広いかもしれません)
「この位置だ!」と思ってエッジを取り付けて
1〜2週間はジャンプも調子が良い。
ただその練習の間に靴が歪むことで感覚が変わってしまうことがあります。
練習をこなす人であればあるほどそういうことが現れます。
試合前にそれが現れた場合、エッジを調節する選手もいますし、
しない選手もいます。
変にいじって今より調子を落とすことを避けるためです。
エッジの位置が少しずれていても
トップ選手は上手にスケーティングをすることができます。(よっぽど変な位置でない限り)
実際佳菜子ちゃんは靴を変えてから数日で出場したジャパンオープンで
ステップでレベル4を獲得しています。
靴が変わるとジャンプには影響が大きく出るようですが
スピンやステップは案外できるようです。
昨日の記事では『エッジがぶれているとダメで結果も出ない』
というふうな印象を与えてしまったかもしれませんが、
大ちゃんの場合去年のグランプリファイナルもエッジがぶれていましたが、
あの時は優勝しました。(ロックンロールメドレーの時のステップがわかりやすいかもしれません)
大輔君は靴を年間でとんでもなく壊す人なので
尋常じゃない負担が靴にかかっていることは明らかで、
(4回転で着氷時の右足に5Gかかるのは有名な話ですね。
体重60kgのひとで300kgです。)
それにより日々靴の形が変化しており、
それに合わせてエッジを調節していると考えています。
<Twitterで書いた文章おわり>
さて、今回の大輔くんのエッジと思われる
ファントムスペシャルですが、
トゥ(つま先の部分)が大きいためルッツ、フリップ、トゥループ向きなことは
有名ですよね^^
あと、特徴がもう一つあるのです。
これ使ったことがある人しかわからないのですが
エッジが長い。汗
最初滑ってみたときにおどろいたのですが
エッジが他のものよりも長くいので、後ろに体重をかけることができます。
なのでバッククロスがすごくやりやすくなります。
一漕ぎでぐんぐん進んでいきます。
・トゥジャンプ向き
・エッジが長く、後ろに体重をかけることができる
この2つが意味することは
『4回転向きのエッジ』ということです。
トゥが大きければ4Tのジャンプは高くなるでしょうし
エッジが長いことで着氷時に体重が後ろに流れてしまっても
他のどのエッジよりも堪えることができます。
つまり、4Tを回りきることができれば
着氷する可能性は高くなるということです。
かなりマニアックな靴&エッジの話でしたが
どうだったでしょうか^^;
今週末はカナダ大会で
パトリック・チャン選手と羽生結弦選手が
いきなり対決します。
どんな得点になるのか、どちらが勝つのか
どんな演技を見せてくれるのか今からとっても楽しみです^^
また何かありましたらメッセージやコメントで教えてください。
今日はこの辺で。
読んでくださってありがとうございました。
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