こんにちは、MAYです。
今回は私自身ちょっと見落としていたところがあったので
その説明をしようと思います。
(なかなかPCSの説明にいけなくてすみません。汗)
てっとーさんからいただいたコメントから
気づかされたことがありました。
今までずっと使わせていただいている2012年のNHK杯の
羽生選手のプロトコルなのですが
おかしいと思いませんか?笑
今まで私が説明したGOEのお話では
最高得点と最低得点を除いたGOEの平均が
そのまま基礎点にプラスまたはマイナスされて
それが獲得した得点になりますよ、
ということでした。
でも、このプロトコルをよくみると
スピンとかステップで明らかにGOE2点とか3点のほうが多いのに
得られた加点が1点未満になってない・・・?
もしこれで悩ませてしまった方がいたら申し訳ないです。
ここから新たな補足説明なのですが、
4回転や3回転半(トリプルアクセル)の加点方式と
3回転の加点方式、
スピン、ステップの加点方式は
少し違います。
スピン、ステップにおいて
加点3の評価を受けた場合には
実際のスコアでは1.5になります。
ちょうど半分になるのですね。
同じく加点2、加点1の場合
1.0、0.5になります。
加点0の場合は0のままです。
ただし、マイナス、減点の場合は少し違っていて
減点1は-0.3
減点2は-0.6
減点3は-0.9
となります。
ジャンプの場合少し違っていて
3回転の場合、もらった加点、減点の0.7倍と考えてください。
2回転半だと、もらった加点、減点の0.5倍
以下2回転の加点方式です。
ややこしいのでめんどくさい!という人は読み飛ばして結構です。
(ダブルだと2T,2Sはもらった加点、減点に0.3倍
2Lo,2F,2Lzだと加点、減点に0.5倍)
ほんとかどうか少し計算をしてみましょう^^
まずは3Lz+3Tから。
最高得点と最低得点の1と2をひとつずつ除いた点を合計すると
1+1+1+1+1+1+2+2=9
これを0.7倍します。
9×0.7=6.3
で、これをジャッジの数で割る。
6.3÷7=0.9
なるほどたしかに0.9になりますね。
StSq3でも同じ用に計算してみます。
最高得点と最低得点の2と3をひとつずつ除いた点を
合計します。
2+2+2+3+3+3+3=18
上に同じくこれを半分の点にします。
(減点がないと計算が楽。笑)
18÷2=9 ですね。
そしてこの点をジャッジの人数で割り平均を出します。
9÷7≒1.29
となり、たしかにStSq3でもらっている加点と同じになります。
なんだこれ、何でこんなややこしいことをしているんだ
と思われるかもしれませんが
これは技術点が高騰するのを防ぐためだと
私は考えています。
(すみません、ちゃんとした記述を探したのですが
見つかりませんでした。。)
技術点が高騰しちゃいけないのか、と思われるかもしれませんが
今の『演技力も技術力も両方しっかり採点するよ』という風潮の中では
このような採点方式も納得できます。
たとえば、もらった加点がそのままつくような採点方式であれば
みんな高い技術点をとりにいくような練習をすると思います。
(それこそ四回転ばかり練習するとか)
つまり、演技力がおろそかになる可能性があるのです。
そういうことを懸念した採点方式なのではないかなと思います。
でも、4回転やトリプルアクセルのGOEは
そのままもらった加点が得点になることを考えると
やっぱり『4回転は高く評価するよ』ということですね。
技術力も演技力も高いレベルのものを
今の選手たちが求められていることがわかる採点方式ですね^^;
選手たちは大変だ。。
という割と複雑なGOEの説明をしましたが
理解していただけたでしょうか・・・?
もし、わからなかったとかココもうちょっと説明して
というのがあればお気軽にコメントしていただけるとうれしいです^^
最後にてっとーさんありがとうございました^^
前回、なるほどーなんて書いていてよく見ていない証拠ですね(汗)
よく見ると計算が合わないですよね。スピンとジャンプでは加点が違うんですね。
全く素人なので・・・ ステップやスピンがレベル4までとありますがレベルの違いによって基礎点が違うのですか? それとも、その時の出来具合によって違うのですか?(こんな質問でもいいのかしら)
kazuさん、コメントありがとうございます^^
いえいえ、私も偉そうに説明して申し訳ありませんでした(汗)
質問ありがとうございます。
スピンの基礎点はレベルによって違います。
そして、そのときの出来具合によってGOEが異なっていきます。
これもまた記事のほうに取り上げさせていただきますね^^
MAYさん、こんばんは。
早速リクエストに応えて頂きまして、ありがとうございます。実は私も4回転と3A以外の加点の計算に関して詳しくは知らなかったので(笑)、大変参考になりました。
何故こんな面倒くさい計算をする必要があるのか、という疑問に対する私見ですが、、、
「基礎点の多寡に応じて加点量を調節している」のではないかな、と。
基礎点10点の技に対して加点3ならば3割増の得点という事ですが、基礎点3点の技に対して加点3にしたら、元の技の2倍の得点という事になってしまいます。それはもはや「加点」の範疇を超えてますよね。
減点の場合はもっと深刻で、基礎点の低い技だと基礎点+GOEの結果が「マイナス得点」なんて事が頻発してしまうでしょう。
結果として、基礎点(難易度とほぼ対応?)の高い技ほどハイリスクハイリターンになっている、というのが現在の採点法の特徴かなと思います。
てっとーさん、コメントありがとうございます^^
いやはや、こちらこそ助かりましたー。
なるほど、そうですね。
加点量を調節しないと基礎点が加点を超えてしまうことも
十分に考えられますね。
ちなみに大学生からはじめた子が新採点システムでジャッジされてしまうと
ほとんどダウングレード&GOE-2or-3なので技術点だけみると
ガチのマイナスの得点での戦いになったりするのです。笑
アンダーローテーションを取り入れることにより
四回転や3Aの点数が上がり、ハイリスクハイリターン時代に
なったように思います。
やはり一つ一つの技を確実に決めていくことが重要ですね。